RISEIAN

アンサンブル・ノマド第53回定期演奏会
ドイツ語文化圏Vol.1抒情の系譜に寄せて

2015年5月23日、東京オペラシティ リサイタルホールにて
アンサンブル・ノマド第53回定期演奏会の舞台装飾をさせて頂きました。

Anton Weber「3つの歌曲」、F.Schubertピアノ五重奏曲「ます」からはじまり、
終盤に向け現代音楽に曲調が変化するプログラムに添って、
プログラム最終曲、Heinz Holliger「Eisblumen(氷の花)」をメインとし、
クラシックから現代音楽に変容するステージに、
段階的に舞台花を変化させる構成にしました。

現代楽曲「Eisblumen(氷の花)」では、
「死」を表現するアンサンブルに対比して、「生」を花で表現しました。
弦楽器とコラールの奏でる冷々たるハーモニクスの世界に、
花の力強い生命力を感じて頂けたら、と考えました。

現代音楽の垂直方向の響きや独特の間を私なりに解釈し、
草月流のいけばなの和の緊張感に、西洋フラワーアレンジメントの鮮烈な印象を加え、
Jurgen Lehlの花器にいけました。

プログラム前半は、
Jurgen Lehl花器の金属色と
バラやカーネーションの赤、
枝の白に色をまとめました。

最終曲「Eisblumen(氷の花)」では、暗転されたステージから、舞台花にスポットが当たり、J.S.Bachのコラール(原題)に続き「氷の花」が演奏されました。

「氷の花」という題に付して、枝にスワロフスキー石を巻きつけ、ステージライトに無数の小さな光が散乱するようにしました。